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今、私たちにできる事

去年11月末、別府市で地域猫として見守られている猫ちゃんが行方不明になり、その後痛ましい虐待を受けたと思われる状態で発見されました。幸い良識のある方に保護され、すぐに動物病院へ連れて行って下さったお蔭で一命は取り留めましたが、目を覆う程の重症で、今後も痛みに耐えながらの治療が続くそうです。




この事件の以前から、別府市では残念ながら猫の虐待とみられる事件が相次いでおり、私達地域猫ボランティアは猫を守るためにどう動けばいいのかを、動物虐待防止活動の専門家である福岡のNPO法人「特定非営利活動法人SCAT」様に相談要請を出していました。

これを受け、代表の山崎祥恵氏が昨年 急遽現地視察や聞き取りの為別府市を訪れて下さり、そして今回、1月13日に新玉旅館でセミナーを開いて下さいました。

 

特定非営利活動法人 SCAT

 Stopping Cruelty to Animals Testament

 代表 山崎 祥惠氏

 NPO法人 福岡県福岡市


動物虐待防止のための情報共有を図り、地域活動をコーディネートして、行政・警察との効果的な連携を進める中間支援組織


 

*紹介文はTwitterプロフィールより引用

*写真掲載はご本人の承諾を得ています




この日はボランティアだけでなく、地域猫活動に個人で取り組んでいる方やその活動に関心のある方など、沢山の方が集まって下さいました。

セミナーではまず

<今、私たちにできること>

と題し、猫だけでなく、地域に住んでいる動物が虐待犯の標的にならない為に

監視の目を張り巡らせ、適切な対応を取る事が重要だというところからお話が進められました。


私達地域猫ボランティアは飼い主のいない猫の為に、餌やりや糞尿の清掃、避妊去勢などTNRを行っています。そういった毎日の活動の中で、不審な置き餌が撒かれていないか、不審な人物を見かけなかったか、地域猫がけがをしていないか、不審な捕獲箱がないかなどを常に確認し、少しでもおかしいと思ったら、躊躇せず110番通報する事が大切だそうです。不審物などがあれば、触らずに写真を撮るなどして証拠を残します。その際通報は最寄りの交番や管轄警察ではなく、110番通報する事が重要で、これは警察側が通報内容を必ず記録する事が義務付けられている為で、更にその記録内容が、動物虐待による専門知識がある部署へ届くことに意味があると教えて下さいました。


別府の警察は幸い、地域猫虐待の件でパトロールを強化してくれたりと、とても優秀で素晴らしいと仰っていて、また、虐待案件での動物病院の対応も適切だという事なので、私達も、ボランティアを始め少しでも多くの市民が、様々な場所で様々な時間帯に監視の目を張り巡らす事、また、その活動を会報等で広く伝える事で、虐待犯への犯行抑止へ繋げていく事が大切なのだそうです。


そしてこういった監視の目は、猫だけでなく、人間の子供を見守る事に繋がる相乗効果もあり、実際、連続児童殺傷事件の凶悪犯の酒鬼薔薇聖斗、宮崎勤、宅間守などは、児童殺害の前に動物虐待をしていたという共通点があったそうです。愛護動物への虐待犯が、次なるターゲットとして子供を狙わない為にも、幼稚園や小学校など、小さな子供を持つ保護者や先生などにも関心を持っていただき、多くの目で弱者を守っていく事が大切なのだと改めて思いました。



それから凶悪犯とはまた違う、本当にどんなお宅の近所にもいそうな、猫嫌いな人への対応です。猫が嫌いと思う事自体は自由ですが、中には庭の花壇や畑が荒らされたくなくて、まるで害虫と同じような感覚で傷つけたり薬品等を使って猫を退治しようとする人もいます。こういった考えの人に理解を求めるのはなかなか難しいそうなので、これも、猫が傷つくような行為に及べば動物愛護法に触れるという事や、さらにその罰則が引き上げられる事などを伝え、それは立派な犯罪行為なのだと強く認識してもらう事が大切だそうです。

 

【犬猫遺棄・虐待は】

改定前→罰金 100万

改定後→懲役1年、罰金100万

【殺傷は】

改定前→懲役2年、罰金200万

改定後→懲役5年、罰金500万


と今後改定され、より罰則が重く引き上げられます

 

*セミナー資料より引用



監視の目を張り巡らせる事を基礎とし、その後も更に深く掘り下げ様々なアドバイスをして頂き、動物愛護に関わる沢山の事を学ばせて頂きました。私は地域猫ボランティアながら知らなかった事も多く、身近に潜む危険から猫を守る為には、適切な知識を持っていなければいけないのだと再認識させられ、用意して下さった資料を今後も読み返し勉強していこうと思います。

山崎氏、今回はお忙しい中本当にありがとうございました。


私達に出来る事には限りがありますが、その力が沢山集まる事で確実に大きな力になるのだから、SCAT様のサポートを受けながら、今後も行政や動物病院と連携し、別府の猫を別府市民で守りたいという思いを強く持ち、ボランティア活動により一層力を入れていきたいと、皆で結束を固めました。


別府には地域猫が沢山います。

ボランティアや地域の人に見守られている猫もいれば、目の届かない場所にもまだまだいると思います。こういった飼い主の居ない猫たちの情報をより多く集め、各地域で共有しながら見守り、地域猫がここ別府でのんびりと安心して暮らしていける事を強く願ってやみません。



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