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おおいた動物愛護センターの新しい取り組み

今年1月下旬に、別府市より各地区のボランティアの代表の元に「おおいた動物愛護センターを拠点とした猫不妊・去勢手術モデル事業」が行われるという通知が届きました。

おおいた動物愛護センターにて、飼い主のいない猫を避妊去勢する取り組みであり、令和2年度に本格実施するための試験的な事業として別府市に協力要請を出し、手術希望の猫を募集するという内容でした。


昨年までは別府市による春のTNRのみで、予算が足りなかったり、実施されるまでにメス猫が子供を産んでしまいタイミングが取れないデメリットなどがありましたが、この取り組みは募集頭数こそ少ないものの、2月3月と2回に分けられていて、ちょうど猫の発情期にさしかかる季節にTNRができる事にとてもありがたく感じました。

私たちは早速、昨年のTNRの時予算が足りず手術が出来なかったメスのキジ猫の申請を行い、もう一グループは、ボランティアさんの庭先に毎日やって来るオスの茶白猫を申請しました。


捕獲する予定の茶白のオス


そしてキジ猫のメス


今回の取り組みで一つネックなのが、捕獲した猫をセンターに預ける日が決められているという事です。2月はグループ毎に26日と27日の2日間で振り分けられ、私たちの地区は26日に決まりました。


今年は2グループで捕獲器も新調しました。

なかなか捕まらない事を想定して、26日に間に合うよう連休から捕獲作戦の開始です。万が一早く捕まっても、捕獲器の中で長く過ごすのは可哀想なので、手作りのケージで少しでも快適に過ごせるよう工夫して、万全な態勢で臨む事にしました。


キジのメス猫ちゃんは、去年のTNRの時期に仲間が次々に捕獲されていく状況を目の当たりにしていて、しかも昨年秋にも再度、また妊娠する前に実費で避妊手術に連れて行こうと計画して捕獲器を借りたけど、結局捕まらず終いでした。その事を覚えているかどうかはわかりませんが、捕獲器に対し警戒心が強く全く捕まりません。

そもそも捕獲器自体に入らないのです。

だから少しでも警戒心を解くために、手作りケージにバスタオルをかけてみたりもしました。あともう一歩の瞬間が何度もありましたが、中には入りません。


捕獲器と手作りケージを並べてみたり

新玉旅館の女将さんから、もっとグレードの高い捕獲器を借りてみたり…


こんな原始的な方法も試してみました。(笑)

唐揚げにマタタビをまぶしたり…

何日もかけて何度も何度も試行錯誤しましたが捕まらず...汗


もう時間がありません。とうとう翌日が引き渡しの期限まで迫ってしまいました。


一方もう一人のボランティアさんの庭に出入りしている茶白の猫は

ご覧の通り、前日の午後に一発で捕獲に成功したそうです。


私たちの地区は2月26日の午後3時に指定された場所に捕獲した猫を連れていく予定でした。 その日はボランティアさんも仕事を休み、3時ギリギリまで粘りましたが、とうとうタイムリミットを迎え、キジ猫の捕獲は間に合いませんでした。 仕方なく茶白だけを連れていく事に。 一見大人しそうな気の弱そうな印象の茶白でしたが、オス猫は力も強く、捕獲器に入っているとはいえ凶暴で恐ろしい一面を見せていました。

シャー!!怖い怖い‼預ける時も捕獲器を壊しそうな程の暴れっぷりだったようです。汗

少しだけの辛抱だからね。我慢してね。

26日の午後に預けて、手術は翌日27日に予定しているとの事。その後1日預かり、28日の午前9時半に、連れていった時と同じ場所へお迎えに行きました。 現地に着くとそれぞれの地区のボランティアさんがお迎えを待っていて、顔見知りのボランティアさんたちと捕獲した時のエピソード等をお互いに話していると、間もなく手術を終えた猫ちゃんたちを乗せたワゴン車が到着しました。

職員さんが申請した時のナンバー等を照合し、猫ちゃんを間違えないように1匹1匹丁寧に確認しながらの受け渡しでした。

私たちのグループの番です。

茶白君も無事戻ってきました。 相変わらずシャーシャー威嚇していました。 元気も良さそうです。

写真は上手く撮れていませんが、耳のカットもとても綺麗なV字をしていました。 それぞれのボランティアさんに猫ちゃんたちの受け渡しが終わり、私達も車に茶白君を乗せて帰路へ。

1日捕獲器の中で静養させる為、ボランティアさんが試行錯誤の末頑張って檻の扉を開け、中へフードと水の器を入れました。 翌日は雨が降っていた為、もう一日様子をみて、ようやく晴れた日の午前中に解放へ

ペットシーツのみでトイレが設置出来なかった為、若干汚れてしまいました。ボランティアさんが洗ってあげようとも思ったそうですが、寒い季節なので逆に風邪を引かせてはいけないと思いとどまり、そのまま解放しました。


暫くは傷口が気になると思うけど、我慢しようね。

避妊去勢した後の猫は、暫く姿を現さない子が多いようですが、どうやら翌日にはまたボランティアさんの庭先に来ていたようです。

これで安心して見守っていけますね。

今回は間に合わなかったキジ猫ちゃんは、3月のTNRで再度捕獲に頑張ろうと思います。


大分動物愛護センターのこの新しい取り組みは、まだ試験段階であったとしても、とても画期的な計画だと感じました。詳しくはまだわかりませんが、2月3月以外の月も、継続して行われる方向に進んでいるのではないでしょうか。


昨年は殺処分の件で批判はありましたが、センターへ猫を託す理由に、飼えなくなったからとか、飼い猫が子供を産んだからとか、野良猫に無責任な餌やりをしたため増えてしまい、ご近所トラブルによる通報等、自分勝手な持ち込みも多かったようです。一人一人が責任を持った行動をとれば、こうはならなかったと感じました。やむを得ず殺処分するにも多額な税金が使われたと思います。その税金を、今度は猫の命を守るために使われるなら、こんな素晴らしい事はないと思います。


TNRには賛否両論あります。しかし猫は可愛いからとか好きだからとかだけでは守れません。人間の手で勝手に子供を産めなくする事に反発する人もいますが、その産まれた仔猫たちが一番殺処分の対象になっているのが現状です。ならば今ある命を守って行く事が大切であり、幸せに生きる権利を与えてあげたいのです。

今後少しでも不幸な猫を減らすために、県や市と連携して、地域の猫を見守り適切な管理をする事が、私達ボランティアの役目だと思っています。



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